magnifika's world cruise 2006 No.45 crossing the atlantic/大西洋横断 3
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2007/01/16(Tue) 23:01他サイト掲載
world cruise 2006 No. 45 crossing the atlantic/大西洋横断 3
早朝時差調整-1時間 日本との時差 11時間
2006年6月1日(木) ドナルド・キーン先生講演会/譚彦彬シェフのディナー
長期の洋上生活なので囲碁教室やアートリュミエール教室などじっくりと取り組む講座が増えた。
私はドナルドキーン先生の第二回講演会にいそいそ出かける。パートナーはは相変わらずヴィスタラウンジのいつもの場所に座りBOSEのヘッドホンでバッハかなんぞを聞きながら海を独り占めしている。お互いに好きな過ごし方ができるのも船上生活の利点である・・・ある女性から「それが一番の利点、それゆえにクルーズに出る」と耳元でささやくようにいわれた。まっ、いろいろあってよいのですからね。
ドナルドキーン氏講演[芭蕉の旅とその俳句]10:00~
「芭蕉」は伊賀上野に生を受けた松尾宗房が本名。なぜ彼は俳人として「芭蕉」と名乗ったか。植物の芭蕉は風を受けて繊細に揺らぐ、その様は俳人の感性に似ているところがあるから、とのお話。
キーン氏は芭蕉の俳句を「墨絵の世界の俳句」と形容する。例)1683年の母の逝去を機に芭蕉は旅に出る。「野ざらし紀行」の中の「手に取らば消えん 涙ぞ熱き 秋の霜」の「霜」は母の白髪の白を思わせる。「海暮れて かもの声音 ほのかに白し」
芭蕉の俳諧コンセプト「不易流行」について触れたあと、アルファベットの言語の国に生を受けた人らしい面白い話をしてくれた。「静かさや・・・」の句を引き合いに出しその句をローマ字で「shizukasaya iwanishimiiru seminokoe」とボードに書く。「i」の音が7つもあるのは「い」の音に近いせみの声が句の音の中に隠し味のように入っていると思うとか。「natsukusaya tsuwamonodomono yumenoato」にはやはり「o」の音が7つ入っていてこの音の繰り返しが人間のため息に似た音で「悲しさ」をかもしているというのである。大変面白い解釈でこれから俳句を味わうときに大いに参考にしたい。
夕刻(18:00~)からは瀬木、ヤヒロ、持田トリオのコンサートをかぶりつきで堪能しそのまま夕食へ。
[ゲストシェフ:譚彦彬氏の中華ディナー] 19:30~
マスメディアでは"超”有名な「赤坂璃宮」のオーナーシェフ譚彦彬氏による夕食。メインダイニングルーム「フォーシーズンズ」は今日はなんだか華やいだ雰囲気。ウエイトレスもウエイターもカラフルなチャイナドレスで生き生きと立ち働いている。
メニューを記してみよう。
* 食前酒 赤坂璃宮特製紹興酒(馥郁とした美酒)
* 衣笠茸巻き蟹爪のさんご仕立て
* ふかひれの姿煮
* 牛バラ肉のクミン風味 揚げごぼう添え(クミンがこんなに上手に使用されているお料理は珍しい。揚げごぼうが素晴らしいエレガントな香り!テーブルをたずねてくださった譚シェフに伺うとクミンは熱したオイルで炒めて必ず取り出すことがコツだそうである)
* 白身魚のピリ辛漬物蒸し(うまい!実に絶妙!)
* 車えびのオーロラソース
* 黒米炒飯のハスの葉包み(この炒飯半端な美味しさではない)
* 杏仁凍豆腐
好きなTV番組にNHK製作の「アインシュタインの眼」というのがあって、譚シェフの「黄金チャーハン」がなぜ絶妙な味を出すのかを科学的に追求した番組を見た。「黄金チャーハン」はご飯とたまごしか使わない。誰でも作れるのだが、ほとんど誰が作っても美味しくない。絶対美味しい条件として科学的にいくつかの重要ポイントがあるのだが、シェフのチャーハンの作り方はその条件全てを満たして余りあるものだった。タイミングのよい「あおり」で卵の蛋白質、米の澱粉、油の3素材に熱を加えて出る「アミノカルボニル反応」という化学反応が美味しさを作り出していた。ちなみに譚シェフがこの「黄金チャーハン」を作るのに着手から出来上がりまで要した時間は90秒だったように記憶する。では時間をかけず美味しいチャーハンを作ってください。